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株式会社ショートムービー 代表取締役・米田侑弘さん|大学在学中に自分と葛藤し、情熱を見出したTikTok運用会社の起業

札幌圏
インターネット・広告・メディア
株式会社ショートムービー 代表取締役・米田侑弘さんの画像

TikTokを中心としたSNSの運用代行・コンサルティング、動画制作を手掛ける株式会社ショートムービー(札幌市)は、代表取締役・米田侑弘さんが大学在学中の2022年に起業した新進気鋭の会社です。学生生活に物足りなさを感じていた彼は今、「仕事のすべてが楽しい」と意欲を持って活動しています。

数百本のショート動画を自作し、ノウハウを培う

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ワンストップのサービスのため、動画も自社で撮影しています

貴社は誰をターゲットにどんな事業を展開していますか?

集客に悩んでいる飲食店や個人事業主、会社の知名度を上げて採用を強化したい中小企業をターゲットに、TikTokのアカウントの運用代行やコンサルティング、動画制作をしています。クライアントの要望に沿ってオーダーメイドでき、戦略立案から企画立案、撮影、編集、投稿、分析まで、すべてワンストップで提供でるのが強みです。

TikTokのノウハウはどのように身に着けたのですか?

X(旧Twitter)やNoteから独学で数百本の動画を作るなどして、ノウハウを身に着けました。とにかく自分でやって、検証してきたので、お客様にはできること、できないことをちゃんとお伝えしています。

やりがいを感じている時はどんな時ですか?

動画がバズった時やクライアントに喜んでもらえた時など、成果が出た時はもちろんうれしいですし、「こんな動画を作ったら再生数が伸びるのではないか」という仮説検証も楽しいです。今の仕事は自分に合っていて、自分のすべてを懸けられるので、どんな業務にもやりがいを感じます。

大学生活の物足りなさに悩み、ハングリー精神で起業

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大学時代の辛い経験が糧になったと語る米田さん

起業のきっかけは何ですか?

もともと心理学部のある大学を受験したのですが落ちてしまい、1浪で北海学園大学に入学しました。でも、大学生活が自分にとっては満足できるものではなく、カナダへ行くことを考えて2年時に中退しました。結局は手続きがうまく行かず、カナダへ行けなかったのですが、いつか日本を出る時のために、海外でも通用するエンジニアのスキルが身につく北海道情報大学に入り直しました。それでも自分の経歴は3浪したようなものなので、納得できる就職先を見つけることも厳しいとも悩み、それなら自分で会社を興そうと決意しました。

学生時代から起業しようと考えていたのですね。

最初はエンジニアを考えていたのですが、僕が1時間かかるプログラミングを5分で仕上げる人がいて、自分には向いてないなと諦めました(笑)。そこで、興味のある心理学と関係があって、仕事になる可能性があるものは何かと考えたらマーケティングだなと思いました。そこから動画編集の事業を始めたのは、今のマーケティング市場はYouTubeなどの動画だと感じたからですね。

今、大学生活を振り返ってみていかがですか?

自分は3浪して学生時代はずっと“ボッチ”だったんです。話をするのは親とコンビニ店員くらいだし、最後にやりとりしたLINEは半年前とかのレベルだったんです。だから、承認欲求を満たしたい気持ちが強くて、それなら起業したのもありますね。今振り返ると、もっと早くに起業を決断して行動するべきでした。大学に入り直したりせず、最初の大学の時点で決断して、もっと準備しておくべきでした。ただ、悩んだ大学時代があったから起業できたのかもしれませんね。

米田さんが利用するコワーキングスペースの内観
米田さんは主に札幌のコワーキングスペースで仕事をしています

就職経験がない中での起業に、不安はありませんでしたか?

ありませんでした。行きたい方向に進めば、自然に今よりもいい状況になると信じていました。親が寛大で、失敗ばかりだった自分を応援し続けてくれたのも、心強かったですね。

実際経営者になってみてから、大変な思いをされたことがありますか?

学生時代は友人にも手伝ってもらっていたのですが、卒業して一人会社になり、大きな案件が3つ重なった時はキツかったですね。東京出張もあり、本当に案件をこなすのが難しくなりました。そんな時に助けてくれたのが、よく利用するコワーキングスペースのみんなでした。利用者の距離感が近い施設だったので、困っている自分を見て、動画編集などいろいろサポートしてくれたんです。そんな人たちのおかげで案件はすべて完璧に納品でき、成果も出せました。その時、助けてくれたうちの1人は、今は仲間として仕事していて、もう1人は2024年4月から従業員として働いてくれています。

切磋琢磨し合える環境があるのはいいですね。起業を目指している若い世代にアドバイスするとしたら、どんなことを伝えたいですか?

素直な心を持って、人に会うことが大切と伝えたいですね。誠心誠意尽くして頑張っていたら、力になってくれる人が現れます。自分は学習や情報収集にXを積極的に使っていて、普段の生活では知り合えない東京の起業家の情報をインプットしています。ただ、中には悪い人もいるので、多くの意見に触れられる機会を設けてほしいですね。

TikTok運用はメッセージの分かりやすさと継続が大切

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TikTokを自社で運営するためのコツも語ってくれました

TikTok運用について教えていただきたいのですが、どのような企業が利用に向いていますか?

TikTokは直接利益を得るツールではなく、動画を再生してもらって認知度を上げるためのツールです。再生数を増やすことで、中長期的に認知度を上げて採用や集客につなげていきたいという企業に向いています。

企業が自社でSNS運用する場合のポイントはありますか?

まずは、分かりやすい動画を作ることです。いかにその動画を最後まで見てもらうかを考えて、意図を明確に、無駄を省いて作ることが大切です。運用を続けることもポイントの一つですが、専門的な分析や検証が重要なので、プロに依頼するのがオススメですよ。

これまで運用した案件の成果はいかがですか?

幸いなことに、すべての仕事でクライアントと決めた目標を達成しています。ただ、クライアントが伝えたいメッセージに魅力がなければ良い動画にならないので、よいクライアントに出会えているんだなと思っています。

今後、どんなことに力を入れていきたいですか?

クライアントにもっと利益をもたらせるよう、コンサルティングを強化することです。将来、「北海道でTikTokの会社といえばショートムービー」といわれるよう、北海道に特化した自社運用アカウントも開始して、1年後には年商1億円にしたいですね。そのためにまずは、一緒に仕事をしてくれるメンバーの採用に力を入れていこうと思っています。

(取材・撮影:北山大樹、文:桑田奈々子、編集:片野睦)

インタビューに応えてくれた人

米田侑弘さん
株式会社ショートムービー 代表取締役 米田侑弘さん

1998生まれ札幌市出身。2017年に北海学園大学人文学部に入学し、2年時に中退。2019年に北海道情報大学情報メディア学部に入学。2022年に株式会社ショートムービーを設立。