1. TOP
  2. 企業インタビュー
  3. BACKBONE株式会社 代表取締役・武田佑太さん|計画的な転職でスキルを身に着け、「50歳で海の家のオーナー」の夢へ

BACKBONE株式会社 代表取締役・武田佑太さん|計画的な転職でスキルを身に着け、「50歳で海の家のオーナー」の夢へ

札幌圏
旅行・宿泊・レジャー
BACKBONE株式会社 代表取締役・武田佑太さん

札幌市南区のグランピング施設「Village杜の贈り物」の開発・運営や、焚き火事業を展開するBACKBONE株式会社(札幌市西区)。代表取締役・武田佑太さんは16歳から「沖縄で海の家を開きたい」という夢を追い、計画的にさまざまな業界で働いてきました。そんなユニークな経歴を持つ武田さんが、アウトドア関連の会社を起業するに至った経緯をお聞きしました。

海の家のオーナーを目指し、16歳の時にイベント業界に就職

現在、アウトドア関連の会社を経営されていますが、武田さんは海の家のオーナーになるのが夢だそうですね?

はい。16歳の時、テレビドラマ「ビーチボーイズ」を見て「50歳になったら、沖縄で海の家をやろう」と決めました。今もその夢の途中なのですが、最初に就職先を決める時、海の家を始めるには「まず人を知ろう」と思い、イベント業界の仕事を選びました。16歳から24歳までの約8年間、ライブコンサートから学会まで、さまざまなイベントに携わりました。

北海道内ですと、どんなイベントを担当されましたか? 

阿寒湖で開催した「KAMUY LUMINA」です。立ち上げから関わり、観光協会の指導も担当しました。洞爺湖で実施したトライアスロンの大会では、道路申請書の作成やコースの決定、看板製作など、多くの業務をこなしましたね。

イベント業界で働いて、身に付いてよかったと思うスキルは何ですか? 

一緒に働く人が、私に対して「指示される前」と「指示の後」のどちらに動く方が好印象なのか違います。それを判断できるようになったことでしょうか。

ホテル、市場、カフェへ転職。そして、BACKBONE株式会社創立へ

イベント会社の退社後は、いろいろな業界を経験したそうですね? 

はい。海の家のオーナーには、さまざまなスキルが必要だと思いまして。そのひとつが、「接客力」です。接客が良いのは、やっぱりホテル業界。万世閣ホテルズの社長とご縁があったことから、ホテルのレストランに勤務させてもらうことができました。

ホテルでの働きぶりはいかがでしたか?

すぐにチーフに昇進し、接客指導の先生からお墨付きをいただくことができた段階で、また転職しました。今度は市場に勤めました。「海の家のオーナーなら、魚も捌けなきゃ!」と思って(笑)。頑張って、鯛の姿造りができるまでの腕を磨きましたよ。

市場の次に就職したのが、BACKBONE株式会社創業のきっかけとなった、札幌のカフェ「JIMMY BROWN」ですね?

そうです。ここの社長は、日本で初めてログハウスをカナダから持ってきた人。飲食業界にも50年以上携わっている人なので、「経営」と「建築」を学ぶことにしました。

カフェでは店長を任されていたそうですね?それがなぜ、新会社設立に繋がったのですか?

その時に流行り始めたグランピングに、社長が目を付けたのがきっかけです。「グランピングの会社をやろう。代表は佑太に任せるよ」と言われ、二つ返事で引き受けました。イベントやホテルの業界での経験を買ってくれました。

人に助けられて完成した施設だからこそ、人が集い、笑い、楽しむ空間に

BACKBONE株式会社の焚き火テント
独自に開発した焚き火テント

BACKBONE株式会社を立ち上げた後、グランピング事業への反応はいかがでしたか? 

すぐに仕事の依頼が入ったのですが、コロナの流行で計画が白紙になってしまい……。それなら、「自分たちのグランピング施設で作ろう」と、「Village杜の贈り物」をオープンすることにしました。

さまざまな業界を経験したとはいえ、グランピング場の開設は大変だったのではないですか? 

本当に困りましたね。そこでまたご縁を頼って、市立札幌みなみの杜高等支援学校に協力を依頼しました。生徒さんに防腐剤を塗ってもらったり、校長先生に木の皮を剥いでもらったり、先生の教育実習などで来ていただいたりと、人の縁を大事にしてよかったと実感した瞬間です。

village杜の贈り物のウエディングイベントイメージ
「village杜の贈り物」では、ウエディングパーティーも開催できます

多くの人に助けられて完成した施設を、どんな場にしたいですか?

ただのキャンプ場ではなく、貸し切って結婚式や仲間と集まれる空間にしたいと思っています。現在も、札幌市南区の児童会館に通う子供の遊び場や、保育園のお泊まり会の会場として利用してもらっています。

BACKBONE株式会社の焚き火テント室内イメージ
焚き火テント内で調理も可能

特許申請中の「焚火テント」も、もっと展開していきたいですね。冷暖房完備のテントの中で焚火が楽しめますから、おつまみを炙りながらお酒を飲むことができるんですよ。

テント内で焚火ができるのは画期的ですね。一酸化炭素中毒や感染症の対策は?

テントを2張使い、1張を蓄熱ルームにして、もう1つのテントに送風しています。30秒ごとに空気入れ替わりますし、外気がマイナス10度でもテント内の温度を20度に保てます。現在はホテルのレンタルが中心ですが、お客様の満足度は高いですね。

海の家のオーナーの夢まであと15年。人生一度きりだからこそ何でも挑戦したい。

BACKBONE株式会社のグランピング施設の様子
グランピング施設の様子

海の家のオーナーになる50歳まで、あと15年あります。

それまでに資金を作って、沖縄でのんびり働く夢を叶えたいですね。民宿も作りたいと思っているんですよ。縁側や囲炉裏を作って、飲食も提供して。人生一度きりですから、決意と覚悟があれば、何でもできる気で頑張っています。

(取材、撮影・北山大樹、文・桑田奈々子、編集:片野睦)

インタビューに応えてくれた人

武田佑太さん
BACKBONE株式会社 代表取締役 武田佑太さん

1988年札幌市生まれ。16歳から北海道のイベント業界で働き、ホテルのレストラン、市場、札幌のカフェ「JIMMY BROWN」に転職。2018年5月にBACKBONE株式会社を設立し、グランピング施設や焚火カフェを運営している。