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株式会社セントラルフォーム 代表取締役・宮本広樹さん | 父親から受け継いだ印刷会社を時代に合わせてアップデート

札幌圏
その他
株式会社セントラルフォーム 代表取締役・宮本広樹さん

株式会社セントラルフォーム(札幌市)は、請求書等の印刷から郵送までをワンストップで請け負う代理発行業にも力を入れるビジネス用伝票の印刷会社です。代表取締役の宮本広樹さんは将来、紙の請求書がなくなることを見据えて新たな事業開拓に邁進。環境問題を考慮したリサイクルできる紙フォルダー「ecoさん」を開発するなど、印刷業の誇りを大切にしながら事業を拡大しています。

印刷業のフィールドで新たな事業を開拓

株式会社セントラルフォームの制作物
燃料販売会社にて使用されている検針書フォルダー

まずは御社の事業について教えてください。

メイン業務は法人を対象にした請求書等の代理発行です。企業独自の指定用紙や圧着はがきなどを使用し、請求内容や住所・氏名の印刷から、郵送までをワンストップで請け負っています。当社はプライバシーマークを取得しているので、顧客からは請求先の個人情報を安心して預けていただいています。

もともとは納品書や伝票などの印刷がメインだったそうですが、請求書の代理発行を始めたのはなぜですか?

それまでは同じ内容を大量に印刷する業務が主体で、年賀状の場合は通信面の印刷だけを受注していたのですが、父親である先代の社長が、情報処理を導入すれば宛名面も請け負えると気付いたのがきっかけです。それから請求書の代理発行にも手を広げました。

情報処理を導入したことで事業の幅が広がったのですね。

それでもいずれは紙の請求書がなくなると思っているので、オンラインでの代理発行にも対応したいです。将来的に、印刷会社というよりは「情報処理をやっていて、印刷もできる会社」にしたいですね。

やっぱり印刷事業は大切にしていきたいのですね。

そうですね。紙を使った商品開発にも力を入れ、過去には特許を取得したものもあります。実用新案登録を受けた「ecoさん」は、リサイクルできる紙製の収容フォルダーで、道内の燃料販売会社で導入されています。

顧客のため社員一人ひとりが考え、行動する組織に

株式会社セントラルフォームの工場
輪転機が並ぶ株式会社セントラルフォームの社内

お父様が創業した会社を2022年に承継したきっかけは何ですか?

先代が75歳になり、年齢的に区切りが良かったからです。それに自分が入社して約20年経ち、営業や部長、常務も経験し、社長としてやっていけると認められたタイミングだったのかもしれません。

信頼されて社長を引き継いだのですね。実際に就任して、どんなことに苦労しましたか?

就任してすぐは、自分が責任を持って判断すべきことが想像以上に多く、仕事を抱え込んでしまいました。承継して2年経った今、ようやく社員に任せられるようになってきました。

どんなことを社員に任せられるようになったのでしょう?

業務全般ですね。現場の上場だけでなく、営業一人ひとりに判断を任せています。フットワークの軽さも当社の社風なので決裁が早く、お客様の要望にスピーディーに応えています。

社長業は苦労も多いと思いますが、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

お客様に感謝された時はうれしくなり、同時にやりがいも感じます。特に、自分にとっては当たり前でも、「ここまでやってくれるんだ」とお客様が驚くほど期待以上の対応をした時の喜びは格別ですね。

ベテラン、若手関係なく、それぞれの働き方を尊重

株式会社セントラルフォーム 代表取締役・宮本広樹さん
社員の困りごとをなるべく早く取り除きたいと語る宮本さん

貴社には創業時からお勤めの方もいらっしゃるとのことで、宮本さんより年上で業界歴も長い社員も働いています。どんなことを心掛けて接していますか?

尊敬の気持ちを言葉や態度で伝えるようにしています。社員には自分への不平や不満を遠慮なく伝えてほしいですが、感情をぶつけ合うことは避けたいので、相手が怒っていても冷静に話すよう努めています。

ベテランが活躍する職場の一方、新規採用も考えていますか?

繁忙期を乗り切るためにもう少し人手が欲しいですね。それに請求書の代理発行をオンライン化するにあたって、システムを構築できる人材を採用したいです。40代の自分と感覚の近い20~30代の若手と一緒に会社を大きくしたいですね。

若手を採用するために、社内環境の整備にも力を入れているのでしょうか?

人を大切にしたいので、時間単位で有給を使えるようにしたり、小学3年以下のお子さんが体調不良の時に取れる看護休暇を設けるなど、福利厚生に力を入れています。残業も減らすように心掛けているので、社員には楽しく働き、プライベートも豊かにしてほしいです。

(取材・撮影:赤坂元、宍戸拓仁、文:桑田奈々子、編集:片野睦)

インタビューに応えてくれた人

宮本広樹さん
株式会社セントラルフォーム 代表取締役 宮本広樹さん
趣味:
アウトドア、ムエタイ

1981生まれ札幌市出身。札幌大学法学部を卒業後、カナダでの語学留学を経て、2005年に父親が創業した「株式会社セントラルフォーム」に入社。約20年間営業として経験を積み、2022年に代表取締役に就任。